狐の嫁入りと雨の表現

皆さん、こんにちは。狐は、「人を化かす」存在として昔話や地域の伝承として数多く登場しているようですね。天候の現象の一つに「狐の嫁入り」というものがありますが、晴れているのに雨が降るという矛盾した状況が、人間の感覚を混乱させることから、狐が何らかの魔法や不思議な力を使っているように考えられたからなのでしょうか。


この他にも諸説あるようで、多くの地域で伝えられる民話では、狐が嫁入り行列を行う際、その行列が人間の目に入らないようにするために、不思議な天気を引き起こすというもので、晴れと雨が同時に起こるという奇妙な状況は、狐の嫁入りの隠れ蓑として解釈されたという説があります。


また、狐の嫁入り行列は、提灯を持った華やかな光景とされていて、晴れている空は提灯の灯りのように輝き、雨は嫁入りを人目につかないよう隠すためのカーテンになぞられたという説もあるようです。


いずれにせよ、狐は、伏見稲荷大社では神の使いとされているように、やはり神秘的な存在として扱われていますね。


ところで、日本には、雨を表す多彩な表現があります。

例えば季節を表す表現では、時雨(しぐれ)・春雨(はるさめ)・五月雨(さみだれ)・秋雨(あきさめ)・氷雨(ひさめ)など。雨の強さや振り方を表す表現に、霧雨(きりさめ)・土砂降り(どしゃぶり)・横殴りの雨(よこなぐり)など。

感情や文学的な表現に、涙雨(なみだあめ)・菜種梅雨(なたねづゆ)・虎落笛(もがりぶえ)・慈雨(じゆ)など。

思いつく呼び名だけでもこれだけありますが、文献に登場する表現や地方の方言などを含めると100以上の表現があるそうです。

農耕民族であり古来より自然環境や自然現象に感謝と畏敬の念を持ち続けてきた日本人ならではの感覚ではないでしょうか。