皆さんこんにちは。
京都にお越しになられる際、新幹線を使われる人も多いと思います。
東京方面から京都方面は、「のぼり」、京都方面から東京方面は「くだり」という表現をしますよね。いつからこのような表現をするようになったのでしょうね。
昔は逆だったようで、京都の上質な着物や伏見の日本酒などは江戸でとても人気が高く、京(上方)から江戸へ運ばれ高値で売買されました。
これらは、上方からの「下りもの」と言われ、京都の古着なども飛ぶように売れたそうです。
現代においても、由緒がないとか価値がないものや粗悪なもののことを「くだらないもの」と言いますが、江戸で売れそうにないものを当時は「下りもの」の反対の意味で「下らないもの」と言っていたそうです。そういう語源だったんですね。
江戸で飛ぶように売れたと言われる京都の着物ですが、その中でも全国に名高い西陣織は、京都を代表する伝統工芸品であり、日本の絹織物の最高峰とも言われています。
西陣織がこれ程発展したのは、京都は皇族や貴族が住まう都であったため、格式の高い衣装が求められたという歴史的・文化的な要因があったようです。
武士階級が政治を執るようになってからも、正装として欠かせないものとなり、時代とともに織機や染色の技法も改良されていきます。
室町時代から安土桃山時代にかけては、中国(明)から伝わった唐織といわれる技法も取り入れられるようになり品質も向上しました。
江戸時代には、絵師(デザイン担当)、染師(糸の染色担当)、機屋(織り担当)などの役割が細かく分業化され効率的な生産体制が確立したそうです。
これまでの長い歴史の中で培われてきたこの着物という素晴らしい日本の文化が永遠に継承されることを願うばかりです。
最近、伏見稲荷大社を参拝する観光客の方々も着物をお召しになる方が本当に増えました。
日本の伝統文化に興味を持って頂けるのは本当に喜ばしいことですね。