皆さんこんにちは。
皆さん「初午」(はつうま)というワードをお聞きになったことはありますか?
「初午」とは、「2月の最初の午の日」のことで、この日に稲荷大神様が稲荷山にご鎮座になったと言い伝えられており、伏見稲荷大社にとっては特別な日となります。
また、この日に行われる全国各地の稲荷神社のお祭りのことでもあります。
祭事では豊作、商売繁盛、開運、家内安全を祈願します。ここ伏見稲荷大社をはじめ、大阪の玉造稲荷、愛知県の豊川稲荷など、各地の稲荷神社で盛大に祭がとり行われるようです。
伏見稲荷大社において、この初午の日にのみ授与されるのが「しるしの杉」です。
このしるしの杉を授かると家が栄えると言われており、一年で一回、この初午の日にしか入手できないレアなお守りです。
しるしの杉に使用される杉は、稲荷大社本殿の後方、千本鳥居が縦列している稲荷山に生える杉だそうです。
伏見稲荷大社の公式ホームページにも記載がありますが、平安時代も中期以降になると、紀州の熊野詣が盛んとなり、その往き帰りには、稲荷社に参詣するのが習わしとなっていて、その際には、稲荷社の杉の小枝=“しるしの杉”をいただいて、身体のどこかにつけることで道中の安全を祈願したと言い伝えられています。
交通事情の悪い当時、京都から熊野まで旅するのは、大変な危険が伴います。下手をすると途中で生命を落とすおそれもありました。いかに信仰のための旅とはいえ、途中で生命を落としてはなんにもならない、そこで、熊野詣の人々は道中の安全を神々に祈願するのですが、その時一番頼りにされたのが伏見稲荷大社であったようです。
やがて杉の葉が験(げん)としてご利益があるというのが一般化すると、稲荷山山中の「傘杉大明神」や「一本杉大明神」周辺に生えるご神木を手で折って持ち帰り自宅の鉢などで移植するものも出始めたそうです。
そこで伏見稲荷大社では、杉の枝を手折る行為を防止する目的や、杉育成の財源確保などの観点から、あらかじめ神社が定めたルールに則り、しるしの杉として奉製し、初牛の日のみに限って授与するようになったそうです。
ちなみに、2025年の初牛は、2月6日(木)で、2026年は、2月1日(日)です。「しるしの杉」を授かりに、伏見稲荷大社を参拝されるのはいかがでしょうか。