幕 / のぼり / 賽銭箱にまつわる豆知識
Column
-
注連縄 豆知識
しめ縄の起源とは~天の岩戸開き~
皆さんこんにちは。
今回は、よく年末になると飾られる注連縄(しめ縄)の起源についてお話していきますね。
皆さんは、「天の岩戸開き」という神話をご存じですか?
まずはこの神話の主人公、伊勢神宮に祀られている天照大御神(あまてらすおおみかみ)のことはご存じですかね。そう、太陽神であり、皇室の祖先とされる女神様ですね。
この天照大御神が岩戸の中に隠れた為に、世界が暗闇に包まれてしまうという神話です。
天照大御神の弟である須佐之男命(すさのおのみこと)が、乱暴な振る舞いを繰り返してしまったことに心を痛められ、天照大御神は、岩の中に身を隠されたんですね。
太陽の神様が身を隠されたので、太陽の光が届かなくなった世の中は真っ黒になってしまったという訳です。
太陽の光が届かないということは、作物も育ちませんので、みんな困り果ててしまいました。
そんな天照大御神を岩戸から出てきてもらおうと、八百万(やおよろず)の神々が集まり作戦を練ります。
話し合いの結果、天照大御神の妹である天鈿女命(あめのうずめのみこと)が、鏡を手に持って踊り始めます。その踊りを見た神々の盛り上がり方は大変なもので、その場は大騒ぎとなりました。
岩戸の外が騒がしいので、天照大御神は岩の隙間から外を覗きます。
鏡に映った美しい女性の姿に驚き、自分の姿であるとは気づかず、岩戸の外へ出てこられました。
天照大御神が岩戸から出た後、太玉命(ふとだまのみこと)がしめ縄を岩戸の前に張り、「もう二度と隠れないでください」という意味を込めて、天照大御神を封じました。
しめ縄は、この神話に基づいて、神聖な場所を守り、邪悪なものを寄せ付けないための結界として使われます。
しめ縄の「しめ」とは「占める」や「封じる」という意味があり、神々が降臨する場所や、神聖な空間を確保するために重要な役割を果たしているんですね。
余談になるかも知れませんが、日本のSF作家の小松左京さんは、この天の岩戸神話は、古代の人々が経験した皆既日食を神話として語り継いだのではないかという仮説を唱えています。
実際に、247年と248年に皆既日食があり、九州地方や奈良地方で観測されたとする歴史学者や天文学者の研究結果もあるそうです。
すごい興味がわくお話ですね。
魏志倭人伝に登場する卑弥呼が魏に遣いを送ったのが239年ですから、皆既日食が起こったのは、その数年後のことですね。
うーん、これは面白い!